【本館】もよろしく♪
少女ソフィアの夏 [書籍]
「少女ソフィアの夏」を読みました。ムーミン童話を書いたトーベ・ヤンソンさんの著書です。
原題が「Sommer boken」(夏の本)というだけあって、フィンランドの島での夏のエピソードがぎっしりとつまった短編集です。物語の中心になる家族はソフィア、おばあさん、パパの3人です。この3人はトーベ・ヤンソンさんからみると姪、母、弟がモデルとなっています。
都会育ちのへなちょこな私にとって、ソフィアの野性味あふれる暮らしはたいへん興味深く新鮮でした。毎年小さな島で一夏をすごすソフィアの生活は圧倒的な自然の中にあります。「自然とふれあう」などという生易しいものではありません。ソフィアの「自然に挑む」ような態度が印象的でした。国の違いや年代の差はありますが、世の中にはこんなに豊かな子ども時代を過ごせる人がいるのだなぁとうらやましく思いました。
この本のもうひとりの主役はソフィアのおばあさんです。このおばあさんがとにかく個性豊かな人で、「さすが、ヤンソンさんのお母さま!」と思いました。
この孫と祖母はたいへんパワフルです。どんなことでもお互い対等にやりあいます。その真剣さに感心しました。余談になりますが、この「対等にやりあう孫と祖母」の関係で、アリサとクラリッサを思い出しました。もしかしたら、アリサとクラリッサのモデルはこの2人なのかもしれませんね。
2人が繰りひろげるエピソードにはおもしろいものがたくさんありますが、中でも「猫」「夏至祭」「ソフィアの嵐」「不吉な日」「八月に」が良かったです♪
コメント 0